●数理情報論講座で研究を行っている学生からのメッセージです(2016年度版)。


内木 正隆

修士課程1回生
(櫻川研究室)
<研究分野・キーワード>
深層学習, 機械学習

私は学部3回生の頃から本講座に所属しています。研究は定期的にセミナー等を通じて指導教官等と話をしながら進めます。本講座の先生方は様々なテーマを研究している学生を担当していますが,それぞれのテーマついて丁寧に指導してくださいます。私は櫻川研で深層学習を中心に機械学習について研究を進めていますが,実際にセミナーをすることで専門的な知識はもちろん,機械学習分野と広い他分野との関連性がより理解できたと思います。ぜひ本講座でご自分の興味のある研究テーマについて取り組んでみてください。

上野 貴史

修士課程1回生
(日置研究室)
<研究分野・キーワード>
画像認識, パターン認識, 機械学習, Deep Learning

Deep Learningによる画像認識が主な研究テーマです。近年,Deep Learningは,パターン認識の分野において従来手法を上回る成果をあげ,大きな注目を集めています。 さらに,その対象は,画像,音声,自然言語など多岐にわたり,多くの研究者の関心を集め,めざましい発展を遂げています。
 従来の機械学習では,対象のデータから抽出した特徴ベクトルをもとに識別を行っており, 特徴抽出のやり方はタスクに応じて人手で設計されていました。 一方,Deep Learningでは,より生データに近いものを入力とし,特徴抽出も含めて, 多層ニューラルネットワークにより学習を行います。 Deep Learningは,その高い識別精度にとどまらず, ニューラルネットでの特徴抽出のされ方や中間層での情報処理も研究の対象となっています。 ニューラルネットの中間層での特徴抽出のされ方は,タスクが異なる場合にも,共通する点があり, 学習済みのモデルを他のタスクへ転移させる方法が考案されています。 また,中間層での表現に着目し,画風を変換させるなど,認識以外への応用も考案されています。
 機械学習,Deep Learningを基に画像,音声,自然言語などのメディア情報処理や, データマイニングなど幅広い分野に関心を持って勉強しています。


neural-styleという画風変換の手法で, MXNetでの実装を利用して,
京大時計台の写真に適用したものです。

高山 勉

修士課程1回生
(立木研究室)
<研究分野・キーワード>
論理,位相

学部生の頃の私は,「いわゆる文系」の学生で,数学や計算機にはあまり縁のない学生生活を送っていました(「いわゆる文系」と言ったのは,文系の研究室に所属していても,一般に理系とされる学問分野の知識を身につけており,そのことによって成果をあげている学生が一定数いるからです)。しかし,人文系の大学院に進学後,Rというプログラミング言語で社会調査データの分析をしたことをきっかけに統計学とプログラミングに触れ,そこから数学と計算機科学,とくに論理と位相の関係について興味をもつようになりました。そこで一念発起して人間・環境学研究科を受験して合格し,以来立木研究室に所属して研究しています。
 修士1回生の間の研究の基本は,週1回のセミナーでした。具体的には,計算論や位相と論理についての書籍を読み,毎週の発表を通じて先生方に基礎を鍛えていただくとともに,研究上の関心を明確にするための様々な助言をいただきました。
 なお私自身は主に理論的な研究に関心をもっていますが,数理情報論分野ではとくに応用を見据えた研究も活発に行われており,講義やセミナーなどを通じてよい刺激をうけています。数理情報論分野で何が研究できるのか,少しでも関心をもった方は一度遊びにきてみてください。

今井 晨介

修士課程2回生
(日置研究室)
<研究分野・キーワード>
情報可視化

近年、社会課題の解決に向けて、複数の学術分野が連携した学際融合研究が注目を集めています。学際融合研究を推進するためには、各学術分野の研究者がお互いをよく理解することが重要です。本研究では、研究者の価値観や行動様式を調査したアンケートの結果に基づいて、学術分野ごとの研究に対する向き合い方をネットワーク上に可視化しています。本研究を通じて、学術分野間の相互理解と学際融合の促進を目指します。


学術分野の文化の可視化

末續 鴻輝

博士課程1回生
(立木研究室)
<研究分野・キーワード>
論理,位相

私は数学が好きで,昔から数や式などの中に潜んでいる様々な法則を発見することがとても楽しく,そのような研究をしてみたいと思っていました。
 今行っている研究は,簡単に言うと,ゲームの状況を見てどのプレイヤーに必勝戦略があるかと考えるものです。"相手がどういうふうにプレイして来ても,必ず勝てる"ということを証明しないといけないので,当然,数学の力が必要になります。また,簡単なゲームで得られた結果から,複雑なゲームにも適用できる法則を発見することは,これまで自分が楽しんで来た数や式などの法則の発見の延長に当たります。
 私が本格的に組み合わせゲーム理論の研究を始めたのは2014年度からですが,ときには面白い発見もでき,国内外での研究集会や学会での発表というよい経験も積めました。一方で,組合せゲーム理論の研究者はまだまだ少ないので,これからも自分自身の研究を深めるとともに,多くの人にこの分野を知ってもらえるよう普及したいと思っています。

宮嶋 健人

博士課程3回生
(櫻川研究室)
<研究分野・キーワード>
複雑ネットワーク・社会ネットワーク分析,クラスタリング係数,検索エンジンの順位付けアルゴリズム

私は中学時代からWebが大好きで,しかし理系科目(特に数学)が苦手でしたので,文系で総合人間学部に入学後,数理情報論分野に飛び込みました。
 今も数学は苦手のままですが,学部の卒業研究でGoogleの検索結果の順位付けアルゴリズム(PageRank)をテーマにしたときに, 何十年も前に論文で発表された線形代数学の定理が,日々多くの人々が使っている検索結果の順位付けの根幹部分を支えていることを知り, 数学の意義を再確認するとともに,目的(Webをもっと知りたい&Webで食っていきたい)のための手段(数学)であれば頑張れることを学びました。
 大学院では,卒業研究で扱った「WebサイトとWebサイトとがどのようにリンクし合っているかというつながり」から対象を広げて 現実世界に数多ある「モノとモノのつながり」(=複雑ネットワーク)を題材に研究を進めています。 特に,ある(複雑)ネットワークがどのような特徴をもっているのかを分析するための指標について, 既存の指標よりも有用な指標を提案することを研究テーマにしています。
 Web好きであることが功を奏し,学部3年生の頃にWebサイト制作・コンサルティングを個人事業化, 博士後期課程1年生の頃に株式会社化して今に至っています(株式会社メディアインパクト:http://www.mediaimpact.co.jp/)。
 研究も経営も,勘所は似ているところがあると思います。「他の人が何をやっているかを調べて,まだやられていないところをやる」, 「従来はこのやり方であったが,こうすればもっと良くなるのではないか」など,研究で学んだ考え方は日々の仕事に活きています。 先生方や研究室の皆様からは,研究以外の人格面でも大変多くを学ばせていただいています。